溶連菌感染症とは
溶連菌感染症とは、溶連菌(溶結性連鎖球菌)という細菌が、鼻や喉の粘膜、扁桃腺などに感染することで起こる感染症です。
発熱、喉の痛み、喉の白っぽい発疹、舌の発疹などの症状が見られます。
どんな人が感染する?大人もかかるときつい?!
幼稚園・保育園や小学校・中学生に通う、5~15歳のお子様が感染するケースが大半です。
ただ、大人へとうつることもあります。大人の場合は、頭痛を併発することが多いと言われています。
溶連菌の症状
子どもと大人では、症状の傾向に多少の違いがあります。
溶連菌に感染後、数日の潜伏期間を置いて、以下のような症状が現れます。風邪、新型コロナウイルス感染症の症状と似通っているため、鑑別が重要になります。
子どもに現れる症状
- 発熱
- 喉の痛み
- 喉の白っぽい発疹
- 舌の発疹(イチゴ舌)
- 首のリンパ節の腫れ
- 胸部、腹部、腕、太腿などの発疹・かゆみ
大人に現れる症状
上記の子どもの症状に加えて、頭痛が現れることが多くなります。
感染経路…どうやって、いつうつる?
咳・くしゃみに含まれる溶連菌をまわりの人が吸い込んで感染する「飛沫感染」、あるいは物・手を介して溶連菌が口から入る「接触感染」によって、人から人へとうつります。
溶連菌は、非常に感染力の高い細菌です。手洗い、うがい、マスクの着用などで、感染拡大を予防することが大切です。
季節でいうと、11月から翌4月くらいまでの、寒い時期の感染が多くなります。
検査方法
問診では、患者様の症状、ご家族の症状の有無などを確認します。また、お住まいの地域での流行の状況なども考慮します。典型的な症状が認められる場合には、ここまでの情報で診断が可能です。
他の原因が疑われる場合には、溶連菌抗原検出キットの使用、血液検査などを行い、診断します。
皮膚症状が見られる場合は、膿・浸出液の培養検査を行うこともあります。
溶連菌感染症の治療方法
抗生物質の服用が治療の基本となります。
発熱は1~2日で、他の症状も1週間以内には治まります。なお、皮膚に感染した場合には、治癒の過程で皮がむけることがありますが、これも2~3週間できれいに治ります。症状が消えてからも、処方した抗生物質は必ず飲み切るようにしてください。
小さなお子様の場合には、積極的な治療を行わず、自然治癒を待つこともあります。
溶連菌に気付かず放置するとどうなる?
溶連菌感染症に気付かず放置してしまったり、内服を自己判断でやめたりすると、数週間後にリウマチ熱や腎炎を引き起こすことがあります。
正しい診断をもとに適切な治療を受けること、またその治療にしっかり取り組む(薬を最後まで飲み切る)ことが大切です。
学校や会社には行かない方がいい?
繰り返しとなりますが、溶連菌は非常に感染力の高い細菌です。
まわりの人に移さないため、また早期回復を図るため、幼稚園・保育園・学校・会社は休んでください。
登園・登校・出社の再開は、医師の許可を得てからとなります。